| プリザーブドフラワーについて |
| プリザーブドフラワーってなあに?
↑ オールドローズ「アルバ・マキシマ」のプリザーブドフラワーアレンジ 使用している花材は、あけび、あじさい、ペッパーベリー、ホクシャ、バラ(アルバ・マキシマOR、カーディナル・リ シュリューOR)、白妙菊、コメガヤ(ドライ)、など。コメガヤ以外は全て工房生まれのプリザーブドフラワーです。 プリザーブドフラワーとは、文字通り「プリザーブド」=「保存された」+「花」という意味です。私は、お花のお漬け 物のようなものと理解しております。ただし、お漬け物と違って食べられません(笑)。 生のお花は枯れてしまいます。ドライフラワーは、保存可能ですが、咲いている時とはかなり異なる雰囲気にな ってしまいます。 でも、プリザーブドフラワーは、生の時の雰囲気をキープしたまま、数年の保存(湿度が少ないなど、ある程度 の環境設定が必要ですが)が可能なのです。 創始者は、フランスのヴェルモント社。ヴェルモント社+ブリュッセル大学+ベルリン大学が約10年 にわたる試行錯誤の末、1987年に世界で初のプリザーブドフラワーを発表しました。有名フラワーアーティス トがいち早く使った事で、ヨーロッパ中に広まりました。 もっとも、プリザーブドの前身のような技術は、わりあい古くからあったようです。ドライフラワーを手がけておられ る方から、樅の木にブチレングリコールを吸わせておくと葉っぱが落ちないと聞いた事があります。 ところで、ヴェルモント社ですが、1991年には、世界認定特許を取得し、ここから世界に向けて生花を 長期保存する技術がもたらされたのです。 ヴェルモント社は、今でも世界ナンバー1のプリザーブドフラワーブランドです。 そのヴェルモント社が特許公開した事から、後続のブランドが次々と誕生。日本でも、ドライフラワーの製造販 売を手がけていた「大地農園」が、ドライフラワーからプリザーブドフラワーへといち早くシフトしました。 また、プリザーブドフラワー制作液が、幾つかの会社から販売され、素人にも作れる身近なクラフトに成長しつ つあります。 |
| プリザーブドフラワー液ってなあに?
プリザーブドフラワーを作るための液です。メーカーによって呼び方が違いますが、ここではバイオテック東海 社のA液B液S液という呼び方を使わせていただきます。A液で脱水脱色後、B液で染料と保存液を吸わせま す。S液は、AB液を一緒にしたようなものです。 A液・・・お花を最初にこのA液に浸けて脱水します。梅酒を作る時、梅を焼酎に浸けておくとエキスが焼酎 の中に溶けていきますが、あれと同じようなものですね。また、植物標本の一種に「液浸標本」という植物をア ルコール液に浸けて保存する方法がありますが、ほぼこれと同じようなものだと思われます。 私がソーゾーするところでは、ヴェルモント社の技術者かその友人に「液浸標本」を作っている人がいたのだ と思いますね。 「え?このテクニック使えるじゃん!」というところから、話が一気に盛り上がり、大学と連携して研究開発をしよ うという方向へ進んでいったのではないでしょうか? 話がそれました。A液の目的は、形をキープしたまま、生花の中に含まれる水分 を抜いてしまう事です。水分を抜いてしまうので、色も抜けてしまいます。例えるならば、ピクルスの 作り方と似ています。「お花のお漬け物」ですね。 1、野菜を一回塩漬けにして水分を抜く=A液にお花を浸ける工程。 2、調味料入りのビネガーに漬け込む=B液にお花を浸けて染色もする。 この塩漬けに似た状態を作り出すのが、A液の目的です。塩を使いませんので、形はそのまま保たれるのが、 ムピクルスとは違う点です。 では、ここでA液(バイオテック東海社製フラワートリック液)の成分表示を見てみましょう。 変性アルコール、水、アミノ酸、メタノール40パーセントとなっています。メ タノールのパーセンテージが45パーセントなのは、可燃性の高い薬品だからでしょう(気温11度で引火可能) 。 また、メタノールは、それ単品ですと、劇物に指定されている薬品ですので、毒性を薄めるという意味もあるの かもしれません。 変性アルコールというのは、エタノールに、アセトンやメタノールを加えて、飲用不可にした(酒税がかからない ように)工業用アルコールの事です。 ちなみにA液は、液体アルコール燃料(通称エキネン)でも代用できます。ただし、お花によっては真っ白に色 が抜けるというところまで色が抜けきれない場合があります。 A液に浸けるだけでもかなりきれいなので、もしかしてこのままでもイケるのでは?と思い、取り出して放置して おいたところ、玉手箱を開けた浦島太郎さんみたいになってしまいました。あららら・・・。 お花の美しさは、水分にありと大変良〜くわかった瞬間でありました。販売されているプリザーブドフラ ワーの中には、この後、更にブリーチする工程を踏むものもあるようです。 特に白いお花は、一回脱色しないと真っ白にはなりません。バイオテック東海からは、Ⅰ液Ⅱ液という白い花専用 の加工液も販売されています。 B液・・・A液で抜いた水分と色を補充するためのいわば代替用の液体です。交換をしないと、ただの 浦島太郎さんになってしまいますので。この液体が、お花のみずみずしさを保つ上で絶対欠かせない重 要アイテムなのです。 では、B液の成分表示を見てみましょう。 多価アルコール、アルコール、水、色素、メタノール45パーセントと なっております。多価アルコールというのは、グリセリンやブチレングリコール(不凍液や化粧品の基材などに使 われています。)などの事です。この粘性のある液体をメタノールを媒体にしつつ吸収させるというのがB液の 主目的です。ついでに色もつけちゃおう〜と染料も入っております。 染料は、カチオン系(塩基性染料)が使われているようですが、私はメタノール染料も使用しております。 私の数少ない経験では、AB液に浸けておく時間が長い方がいいモノが出来ます。きっとお花の隅々まで浸透 するのに時間がかかるのでしょうね。 取り出すのを急ぐと、あらあら、お花がたちまち浦島太郎さんに(・・;)。 ↑「加工」を急いだために浦島太郎化したオールドローズ。ああ、もったいない!! とある教室では、ポンプを使って脱気しておられるようですが、形は壊れないのでしょうか?と、密かに疑問を 抱きつつ、なんとか早く形を壊さずに吸収させる方法は無いものか?と試行錯誤中なのであります。 S液(バラ専用液)・・・私自身はあまりつかいませんので、概略だけにとどめておきます。 AB液を一緒にしたようなものです。成分表示は、多価アルコール、アルコール、水、 色素、メタノール45パーセントとなっております。 簡易液・・・AB液より簡単です。メタノールが含まれておりませんので、安全性も若干高いかもしれま せん 。 成分表示は、多価アルコール、グリセリン、水、アミノ酸、色素となっています。 また、お花を動かさないので、結果的に壊れる確率が低くなります。何しろ浸けておけばいいだけですので、 時間の無い方には最適です。ただし、私のようにせっかちで時間がかかるのが苦手の方には、超不向きだと いう事を申し添えておきます(笑)。 以上が、私の個人的なプリザーブドフラワーと制作液に関する概略です。 それでは、次にこのプリザーブドフラワー制作液で何が作れるのか?に移りたいと存じます。 |
| プリザーブドフラワーに加工出来るものと出来ないもの
このプリザーブドフラワー制作液、植物なら何でも加工出来るというものではないようです。メーカーのパン フには「花弁植物が加工出来ます。」と表記されています。検索してもよくわからないので、んー、花びらのあ る草ならいいんじゃない?という程度の理解ではじめました(^_^)。 あと、販売されているものは、加工可能だと見なす事にしております。 バラ、椿、スカビオサ、デルフィニューム、カラー、デンファレ、ひまわり、カラー、ブルースター(オキシペタラム) ガーベラ、あじさいetc。 葉ものは、かなり範囲が広い感じです。実物(みもの)も販売されておりますので、これも加工可能と断定いた しましょう。つまり、販売されているものにつきましては、加工テスト済みとみなします。なので、検索すればわ かります。 問題は、何らかの理由(コストや量産体制に合わないなど)で加工されていない(市場に出回っていない)けれ ど、加工出来るかもしれない花弁植物達です。これらについては、地道にテストを繰り返して行く他、ありませ ん。次ページでは、そのジミーな実験やその結果について触れたいと存じます。 |